Oct 28, 2026、Kiro Webがアップデートされました。セッションごとの短い要約、サイドバーの設定整理、Workflowsの対話型計画、AutomationsからScheduleへの置き換えなど、日々の使い勝手に関わる変更が中心です。
公式の変更履歴は Kiro Changelog で確認できます。本記事では、素材として公開されている内容に沿って、初心者にも分かりやすく整理します。
今回のアップデートの全体像
今回の主な変更は次の4点です。
- セッションごとに短い要約(recap)を保持できる
- サイドバーが Agent Config と Settings に分離された
- Workflowsが、計画とレビューの段階でユーザーに入力を求めるようになった
- Automationsが Schedule に置き換えられ、再開したセッションはサンドボックス起動中も使える
※サンドボックスとは: AIエージェントがコードやコマンドを安全に実行するための、隔離された作業環境のことです。
なお、セッション要約の具体的な表示場所や生成タイミング、Scheduleの詳細な設定項目については、現時点では資料からは確認できません。
設定の整理: Agent ConfigとSettingsの分離
何が変わったのか
これまでの設定は、エージェントの振る舞いに関するものとアカウント・環境に関するものが近い場所にありました。今回、サイドバーが次の2つに分かれました。
- Agent Config: エージェントの動きを形づくる選択肢
- Settings: アカウントや環境に関する設定
各項目の内訳
| 区分 | 含まれる項目 |
|---|---|
| Agent Config | Cloud Config、Steering、Skills、Workflows、Powers & MCP、Model fallback、Memory |
| Settings | Account & plan、Appearance、Integrations、AWS access、Sandbox、API keys、Privacy & data、Help & support |
迷いやすい設定の移動先
探す機会の多い項目の場所は、次のとおりです。
| 設定したいもの | 場所 |
|---|---|
| MCPサーバー | Powers & MCP |
| IAMロール | AWS access |
| テーマ | Appearance |
| モデルのフォールバック | Agent Config > Model fallback |
※MCPとは: Model Context Protocolの略で、AIエージェントが外部のツールやデータにつながるための共通の仕組みです。
※IAMロールとは: AWS上で、どの操作を許可するかを定める権限の入れ物です。
メリット
初心者にとっては、エージェントの性格や手順を決める設定と、課金や外部連携といった環境の設定が分かれたことで、目的の項目を探しやすくなります。エンジニアにとっても、チームでエージェントの挙動を整える作業と、個人のアカウント管理を切り分けて考えやすくなると考えられます。これは筆者の見解です。
Workflowsの強化: 計画段階から対話できる
create-workflowステップ
Workflowsを有効にした状態で、プロンプトからワークフローを作ると、最初に create-workflow ステップが始まります。このステップは開いて内容を確認し、方向を調整できます。必要な情報が足りないときは、推測で進めず質問を返します。
graph LR
A["プロンプト入力"] --> B["create-workflowステップ"]
B --> C["不足情報は質問"]
C --> D["計画を提示"]
D --> E["承認またはレビュー"]
計画の見やすさ
提示される計画には、各ステップについて次の情報が表示されます。
- 担当するエージェント
- 使用するモデル
- effort(作業の度合い)
- 最初のタスク
計画を却下したあとに出した変更依頼は、承認されたステップに引き継がれます。修正の意図が後続の工程で抜け落ちにくくなる仕様です。
レビューループの既定値の変更
レビューを繰り返す工程では、従来は3〜5回のパスを実行したうえで失敗扱いになることがありました。今回の更新後は、既定で 2回却下された時点で一時停止 します。ただし、ワークフロー自身にパス上限が設定されている場合は、そちらが優先されます。
| 項目 | 従来 | 今回の更新後 |
|---|---|---|
| 不足情報への対応 | 素材からは確認できない | 推測せず質問する |
| 却下後の変更依頼 | 素材からは確認できない | 承認されたステップに引き継がれる |
| レビューループ | 3〜5回実行して失敗することがあった | 既定で2回却下されたら一時停止 |
| ワークフロー固有の上限 | 素材からは確認できない | 既定値より優先される |
さらに、実行中のワークフロー(active runs)はチャットの上部に固定表示されます。長いやり取りの中でも、進行中の処理を見失いにくくなります。
※ワークフローとは: 複数のエージェントやタスクを順番につなげて、一連の作業を自動で進める仕組みです。
ScheduleとセッションUXの改善
Schedule は Automations に置き換えられました。名称の変更から、定期的な実行や時間を指定した処理を扱う機能として整理されたと推測できますが、設定項目や移行方法といった詳細は現時点では公表されていません。
また、再開したセッションは、サンドボックスの起動中でも利用できます。以前は環境が立ち上がるのを待つ場面があったと考えられますが、素材には従来の挙動の記載がないため、詳細は確認できません。セッション要約と合わせると、時間を置いて作業に戻る場面での負担が減る方向の変更といえます。
影響と展望
今回の更新は、新しいモデルや大きな機能の追加というより、エージェントを継続的に運用するための土台づくり という色合いが強いと考えられます。設定の分離、計画段階での対話、レビューループの上限の見直しは、いずれもエージェントの暴走や無駄な繰り返しを減らす方向の変更です。
複数のエージェントを組み合わせる開発では、どこで人が判断に介入するかが重要になります。Workflowsが推測で進めず質問する設計になったことは、その流れに沿った動きといえるでしょう。今後は、Scheduleの具体的な機能や、セッション要約の活用範囲が明らかになるかが注目点です。
まとめ
- サイドバーが Agent Config と Settings に分かれ、MCP、IAMロール、テーマ、モデルのフォールバックの場所も整理された
- Workflowsは create-workflow ステップで不足情報を質問し、計画にエージェント、モデル、effort、最初のタスクを表示する
- レビューループは既定で2回却下されると一時停止し、ワークフロー固有の上限があればそちらが優先される
- AutomationsはScheduleに置き換えられ、再開したセッションはサンドボックス起動中も使える
- Scheduleやセッション要約の詳細は、現時点では資料から確認できない。詳しくは 公式Changelog を参照