今週のKiroは、Memory設定の既定値の変更とワークフローの起動ルールの見直しが中心でした。「AIがどこまで自動で動くか」を利用者が決めやすくする更新が続いています。あわせてPowersの安定性やMCP周りの修正も入りました。
Memory設定の既定がOffに、Powersは止まりにくく(10月20日)
10月20日のリリースでは、次の変更が入っています。
- Memory設定のデフォルトがOffになった
- 承認したワークフローのステップが、プランへのフィードバックに沿って進むようになった
- サーバーが利用できない場合でも、Powersが動作を続けるようになった
- チャット、ワークフロー、MCPに関する複数の不具合が修正された
※Memoryとは:一般に、AIが過去のやり取りで得た情報を保持し、後の作業で参照する仕組みを指します。Kiroでの保存内容や範囲の詳細は、今回の資料からは確認できません。
※Powersとは:Kiroの機能を拡張するための仕組みです。
※MCPとは:Model Context Protocolの略で、AIツールと外部のツールやサービスをつなぐための共通規格です。
影響と使いどころ
Memoryの既定がOffになったため、新しい環境では最初から有効にはなりません。Memoryを使いたい場合は、設定を確認して自分で選ぶ形になると考えられます。既に設定を変えている人への影響は、資料からは分かりません。
ワークフローでは、承認済みのステップがプランへのフィードバックに従うようになりました。計画に修正を入れたのに、そのとおりに進まないという食い違いを減らす変更と考えられます。Powersについては、サーバーが一時的に使えなくなっても全体が止まりにくくなる点が利点です。
V3 Workflowsは依頼したときだけ起動する(10月21日)
10月21日のリリースでは、V3 Workflowsの起動条件が変わりました。機能をオンにしても、ワークフローが自動で始まることはありません。実行されるのは、利用者が依頼したときだけです。
※Workflowsとは:Kiroで作業を段階的なステップに分けて進める機能です。今回の資料から確認できるのは、プランに基づいてステップを承認しながら進める形であることまでです。
同じリリースには、次の修正も含まれます。
- スクリーンリーダーの出力の改善
- MCPのセットアップの改善
- V2からV3へのセッション再開の改善
※スクリーンリーダーとは:画面の内容を音声や点字で伝える支援技術で、視覚に障害のある人などが使います。
影響と使いどころ
「機能を有効にしたら、頼んでいないのにワークフローが始まった」という状況は起こらなくなります。小さな修正や質問のように、手順立てが不要な場面でも、意図しない動きを避けやすくなると考えられます。V2から続けて使っている人にとっては、セッション再開の改善も助けになりそうです。
Use workflowsで使う頻度を選べるように(10月22日)
10月22日のリリースでは、新たにUse workflowsという操作項目が加わりました。チャットの中でKiroがワークフローを始める頻度を選べます。選択肢の具体的な名称や内容は、今回の資料からは確認できません。
このほかに、次の点が更新されています。
- インストール済みのPowersが、IDEとKiro CLIの両方でより安定して動作するようになった
- Memory設定のOff既定が適用された
- ターミナルの挙動と、製品内のフィードバックの挙動が改善された
※Kiro CLIとは:ターミナル(コマンドライン)からKiroを使うための形態です。
影響と使いどころ
前日の変更で、ワークフローは依頼したときだけ起動するようになりました。Use workflowsは、その方針の上で「どの程度ワークフローを使うか」を会話ごとに調整できる項目と考えられます。段階的に進めたい作業と、素早く片付けたい作業とで、使い分けができそうです。
Powersの安定性向上はIDEとKiro CLIの両方が対象で、どちらの環境でも使う人に関係します。
今週の変化の意味
以下は、今回の3件から読み取れる傾向についての考察です。
今週の更新には、利用者の意図を起点に動かす方向性が見えます。Memoryは既定でOff、ワークフローは依頼があったときだけ起動し、さらに頻度も選べるようになりました。AIの機能を増やすだけでなく、いつ動かすかを利用者が決められるようにする設計に重きが置かれていると考えられます。
Powersが利用できないサーバーに強くなった点や、MCP、スクリーンリーダーに関する修正も続いています。こうした日常的な使い勝手の改善も、並行して進んでいるようです。今後の具体的な計画は、現時点では公表されていません。
まとめ
- Memory設定の既定がOffになった(10月20日に変更、10月22日のリリースにも適用の記載あり)
- V3 Workflowsは、機能をオンにしても自動では始まらず、依頼したときだけ起動する(10月21日)
- 新しいUse workflowsで、チャット内でKiroがワークフローを始める頻度を選べる(10月22日)
- Powersはサーバーが使えない場合にも動作を続け、IDEとKiro CLIでの安定性も向上した
- チャット、ワークフロー、MCP、スクリーンリーダー、V2からV3へのセッション再開などの修正も入った