Kiroは Oct 15, 2026 に新しいアップデートをリリースしました。Markdownファイルにコメントを付けてまとめてKiroへ送れる「Markdown Review」が、すべてのKiro IDEユーザーで使えるようになりました。仕様書レビューの流れが整う重要な更新です。
今回のリリースの全体像
今回のリリースは、レビュー体験の強化と日常操作の使いやすさ向上が中心です。公式の説明によると、主な内容は次のとおりです。
- Markdown Reviewがすべての Kiro IDE ユーザーに提供される
- 「What's new」のお知らせブラウザが追加される
- ワークフローのステップ通知が見やすくなる
- 変更をステージする前にコミットメッセージを生成できる
- ターミナル、ワークフロー、サインインまわりの不具合が修正される
この記事では、中心機能のMarkdown Reviewを詳しく取り上げ、そのほかの改善点も整理します。
主要な変更点
Markdown Review:コメントをまとめてKiroに送る
概要
ワークスペース内の .md ファイルをレンダリング済み(見た目を整えて表示した状態)のレビューパネルで開き、気になる箇所にピンポイントでコメントを付けられます。付けたコメントは、まとめてKiroに送信できます。
※Markdownとは: 見出しやリスト、表などを簡単な記号で書ける軽量な文書形式です。READMEや仕様書でよく使われます。
初心者向けの説明
文書を読みながら「この説明を直してほしい」「ここが曖昧」といった指摘を、該当部分に付箋を貼る感覚で残せます。コメントを1件ずつ送るのではなく、書き終えてから一括で渡せるので、指示がばらけず伝わりやすくなります。
技術的な詳細
公式の説明から確認できる仕様は次のとおりです。
- 対象は、ワークスペース内の
.mdファイル - 特定の文章(passage)を指定してコメントできる
- コメントはまとめて(batch で)Kiroに送信できる
- ファイルが変更されると、パネルの表示も最新の状態に保たれる
- アウトライン(見出しの目次)が表示される
- Mermaid図に対するコントロールが用意されている
- 横幅の広い表は横スクロールで確認できる
※Mermaidとは: テキストでフローチャートやシーケンス図などを描ける記法です。Markdown内の図表現によく使われます。
開き方
次のいずれかから起動できます。
- エディタのタイトルバー
- コマンドパレット
- Specsビュー
- 対応するスペック文書にある「Review」ボタン
※Specsとは: Kiroで要件や設計、タスクなどを文書として管理する仕組みです。
活用例とメリット
- 設計ドキュメントを読みながら複数の修正点を書き溜め、最後にまとめてKiroへ依頼する
- 長い仕様書でも、アウトラインを使って目的の章へ素早く移動する
- 幅の広い表や図を含む文書でも、横スクロールやMermaidコントロールで確認しやすい
流れを図にすると次のようになります。
graph TD
A["mdファイルをレビューパネルで開く"] --> B["該当箇所にコメントを付ける"]
B --> C["コメントをまとめて送信"]
C --> D["Kiroが内容を受け取る"]
機能の要点は、次の表にまとめられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象ファイル | ワークスペース内の .md ファイル |
| コメント単位 | 文章中の特定の箇所 |
| 送信方法 | 複数コメントをまとめて送信 |
| 表示の追従 | ファイル変更に合わせて最新化 |
| 補助機能 | アウトライン、Mermaidコントロール、横スクロール |
| 起動場所 | タイトルバー、コマンドパレット、Specsビュー、Reviewボタン |
なお、今回「すべてのユーザーに提供」とされていますが、これ以前の提供範囲の詳細は資料からは確認できません。
What's newのお知らせブラウザ
アップデート情報を確認できる「What's new」のお知らせブラウザが追加されました。新機能や変更点をIDE内で把握しやすくするための機能と考えられます。表示形式や操作方法の細部は、現時点では公表されていません。
ワークフローのステップ通知が見やすく
ワークフローの各ステップの通知が、ひと目で把握しやすくなりました。作業が今どの段階にあるかを追いやすくなる改善と考えられます。具体的な表示の変更内容は、資料からは確認できません。
ステージ前にコミットメッセージを生成
変更をステージする前でも、コミットメッセージを生成できるようになりました。
※ステージとは: Gitで、次のコミットに含める変更を選んで準備する操作です。 ※コミットメッセージとは: 変更内容を説明する短い文章で、履歴を後から読み返すときの手がかりになります。
ステージ作業の前にメッセージ案を作れるため、変更内容を整理しながら進めたい場面で役立つ可能性があります。
不具合修正
ターミナル、ワークフロー、サインインに関する問題が修正されました。個々の症状や原因の詳細は、現時点では公表されていません。
今回の変更点まとめ表
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| レビュー | Markdown Reviewを全Kiro IDEユーザーに提供 |
| 情報確認 | What's newお知らせブラウザを追加 |
| ワークフロー | ステップ通知を見やすく改善 |
| Git操作 | ステージ前にコミットメッセージを生成 |
| 修正 | ターミナル、ワークフロー、サインイン |
影響と展望
以下は公式情報をもとにした筆者の見解です。
AI支援の開発では、コードだけでなく仕様書や設計書といった文書をAIとどう磨き込むかが重要になっています。Markdown Reviewは、文書の特定箇所に対する指摘をまとめてAIに渡せるため、人間とAIが同じ文書を見ながら改善を進めやすくなると考えられます。
また、レビュー用のパネルがSpecsビューや「Review」ボタンとつながっている点から、スペックを軸にした開発の流れを意識した設計だと読み取れます。ただし、コメントを受けたKiroがどのように文書やコードへ反映するのかといった詳細は、現時点では公表されていません。
コミットメッセージ生成やWhat's newブラウザのような小さな改善も、日々の作業の摩擦を減らす方向の更新です。細かな変更が積み重なることで、IDEとしての使い勝手がさらに高まっていくことが期待されます。
詳細は公式チェンジログで確認できます。
まとめ
- Markdown Reviewがすべての Kiro IDE ユーザーに提供され、文書の特定箇所へのコメントをまとめてKiroに送れる
- レビューパネルは、ファイル変更への追従、アウトライン、Mermaidコントロール、表の横スクロールに対応
- What's newのお知らせブラウザが追加され、ワークフローのステップ通知も見やすくなった
- ステージ前にコミットメッセージを生成でき、ターミナル、ワークフロー、サインインの不具合も修正された
- 各機能の細かな挙動や数値は資料に記載がなく、詳しくは公式チェンジログを参照のこと