Kiro Webは Oct 12, 2026 にアップデートされ、フォールバックモデルの指定、ワークフローのステップ単位でのモデル変更、再開セッションの即時プレビュー表示などが加わりました。モデルの停止や上限到達で作業が止まりにくくなる点が重要です。
このアップデートの概要
今回のリリースは、Kiro Webの「止まりにくさ」と「細かな制御」に関する改善が中心です。素材から確認できる主な変更点は次の4つです。
| 変更点 | 概要 |
|---|---|
| フォールバックモデル | 選択モデルが使えないときの代替モデルを指定できる |
| ステップ別モデル変更 | Workflowsのステップごとにモデルを切り替えられる |
| セッション再開時のプレビュー | サンドボックス起動中も保存済みの会話を表示する |
| 繰り返しの上限回復 | 反復上限で止まったループを続行または終了できる |
※サンドボックスとは: コードの実行や作業を、他の環境から隔離して安全に行うための作業用環境のことです。
主要な変更点
1. フォールバックモデルを選べるように
設定は Settings > Model から行います。一覧からモデルを選び、そのフォールバック(代替)モデルを指定します。
※フォールバックとは: 本来使うものが利用できないときに、代わりに使う予備の仕組みのことです。
動作は状況によって異なります。
- 選択したモデルが利用できない場合: フォールバックはそのターンだけ回答し、次のターンでは選択したモデルに戻ります。
- 選択したモデルがリクエストを拒否した場合: そのセッションの残りはフォールバックのまま会話が続きます。
フォールバックはいつでも削除できます。
graph TD
A["ターン開始"] --> B["選択モデルは利用可能か"]
B -->|"はい"| C["選択モデルが回答"]
B -->|"いいえ"| D["フォールバックが回答"]
D --> E["次のターンは選択モデルに戻る"]
初心者の方は、メインのモデルが一時的に使えなくても作業が完全には止まらない保険、と捉えるとわかりやすいでしょう。エンジニアの方は、「利用不可は1ターンだけ」「拒否はセッション継続」という挙動の違いを押さえておくと安心です。
| 状況 | フォールバックの動き |
|---|---|
| 選択モデルが利用不可 | そのターンのみ回答し、次のターンで選択モデルに戻る |
| 選択モデルがリクエストを拒否 | セッションの残りはフォールバックのまま |
2. ワークフローのステップごとにモデルを変更
Workflowsを有効にしている場合、選択したステップのコンポーザー(入力欄)にモデルピッカーが表示されます。モデルが対応していれば、effort(推論の労力)と Thinking の設定も選べます。
手順は次のとおりです。
- 変更したいステップを停止する
- モデルを変更する
- メッセージを送信して続行する
選択はそのステップにのみ適用されます。他のステップのモデルには影響しません。
活用例としては、ステップごとに適したモデルを割り当てる使い方が考えられます。たとえば調査系のステップと実装系のステップで別のモデルを試す、といった運用です。ただし、どのモデルが何に向くかは素材からは確認できないため、実際の使い分けはご自身の環境で検討してください。
3. 再開したセッションの会話を即表示
サンドボックスが停止したセッションを開き直すと、Kiro Webは保存済みの会話のプレビューを表示します。サンドボックスが起動している間も、これまでのやり取りを確認できます。準備が整うと、完全な履歴がプレビューと置き換わります。
起動待ちの間に前回の文脈を読み返せるため、再開時の待ち時間が使いやすくなると考えられます。
4. 反復上限に達したループを回復
ワークフローの繰り返し(repeat)が反復回数の上限で一時停止したとき、続行する方法が2つ用意されました。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
| Run N more | 1〜1,000の整数を指定し、その回数だけ反復を追加する |
| Stop looping and continue | 繰り返しを終了し、次のステップへ進む |
※イテレーションとは: 同じ処理を繰り返す際の1回分の実行のことです。
まだ回したいなら Run N more、十分なら Stop looping and continue、と状況に応じて選べます。
graph TD
A["繰り返しが上限で停止"] --> B["Run N more"]
A --> C["Stop looping and continue"]
B --> D["追加回数ぶん反復を再開"]
C --> E["次のステップへ進む"]
影響と展望
今回の変更は、AIエージェント型の開発環境で課題になりやすい「モデルの可用性」「工程ごとの最適化」「長時間処理の中断」に対応するものです。複数のモデルを使い分けたり、フォールバックで継続性を確保したりする機能は、実務での利用に向いた方向性だと考えられます。
なお、リリース文には「sessions you keep using stay available」(使い続けているセッションは利用可能なまま)という記載がありますが、保持の条件や期間などの詳細は資料からは確認できません。料金への影響や対応モデルの一覧も、現時点では公表内容から確認できません。詳細は公式チェンジログをご確認ください。
まとめ
- Settings > Model でフォールバックモデルを指定でき、利用不可時は1ターンのみ、拒否時はセッション継続で代替が回答する
- Workflowsではステップ単位でモデルを変更でき、対応モデルなら effort と Thinking も選べる
- 停止したサンドボックスのセッションを再開すると、起動中も保存済み会話のプレビューが表示される
- 反復上限で止まったループは Run N more(1〜1,000)か Stop looping and continue で回復できる
- 詳細や最新情報は公式チェンジログで確認できる