【Kiro】Nov 5リリース!Pre/Post Compaction Hookとワークフロー検索を解説

/ 更新 / noro_hacks

※本記事には広告リンクが含まれます。

【Kiro】Nov 5リリース!Pre/Post Compaction Hookとワークフロー検索を解説

2026年11月5日(Nov 5, 2026)、AI開発環境「Kiro」の新しいアップデートが公開されました。会話の圧縮(コンパクション)の前後で処理を挟めるHookトリガーが追加され、Workflow Runsの検索なども加わっています。長い作業の制御がしやすくなる内容です。

今回のアップデートの全体像

【Kiro】Nov 5リリース!Pre/Post Compaction Hookとワークフロー検索を解説 - Fruitful - Free WordPress Responsive theme source code displayed on this photo, you can download it for free on wordpress.org or purchase PRO version here https://goo.gl/hYGXcj
Photo by Ilya Pavlov on Unsplash

今回のリリースは、新機能と不具合修正の2本立てです。公式のChangelogに記載されている内容は次のとおりです。

追加された機能

  • Pre Compaction / Post Compaction のHookトリガー
  • Workflow Runsビューでの検索
  • コンパクトなワークフロー実行カード
  • サイトにMarkdown形式を要求するWeb取得(web fetch)
  • サブエージェント向けの読み取り専用Memoryアクセス

修正された不具合

  • 接続が完了していないウィンドウでAgent Focusが止まってしまう問題
  • MCPのトークン更新で障害が起き、再サインインが必要になってしまう問題
  • 非常に大きなセッションが開けない問題

※Hookとは: 特定のタイミング(トリガー)で自動実行される処理のこと。「ファイル保存時」「会話の圧縮時」など、決まった場面でスクリプトなどを走らせられます。

主要な変更点① Pre / Post Compaction Hook

概要(初心者向け)

AIとの会話が長くなると、古いやり取りを要約して置き換える「コンパクション」が行われます。※コンパクションとは: 長くなった会話履歴を要約にまとめ、コンテキスト(AIが一度に参照できる情報量)を空ける処理です。要約すると細かい情報が抜け落ちることがあります。今回、この要約の「前」と「後」に処理を差し込めるようになりました。

技術的な詳細

Hookエディタの「Compaction Hooks」グループに、新しいトリガーが2つ追加されています。対象は、Kiroが会話を自動でコンパクションするときです。

  • Pre Compaction Hook: 要約が書かれる前に実行されます。終了コード2で終了するとコンパクションをキャンセルでき、そのときのエラー出力が理由として表示されます。
  • Post Compaction Hook: 要約が古い履歴に置き換わった後に実行されます。出力は会話に追加されるため、要約から漏れた情報をエージェントに保持させられます。

どちらのトリガーもmatcher(対象を絞り込む条件)は指定できません。

※終了コードとは: スクリプトやコマンドが終了するときに返す数値です。今回は「2」が「キャンセル」の合図として使われます。

graph LR
    A["会話が長くなる"] --> B["Pre Compaction Hook"]
    B --> C["要約を作成"]
    C --> D["Post Compaction Hook"]
    D --> E["出力が会話に追加"]
項目 Pre Compaction Post Compaction
実行タイミング 要約が書かれる前 要約が古い履歴に置き換わった後
主な役割 コンパクションのキャンセル 要約で抜けた情報の補完
出力の扱い 終了コード2のとき、エラー出力が理由として表示 会話に追加される
matcher 指定不可 指定不可

活用例(考え方の一例)

以下は公式情報をもとにした筆者の想定です。実際の動作は環境によって異なる可能性があります。

  • Pre側で、作業の途中状態に問題がないか検査し、問題があれば終了コード2でコンパクションを止める。
  • Post側で、プロジェクトの重要な決定事項や作業ルールを出力し、要約後も会話に残す。

これにより、長時間の作業で「要約したら大事な前提が消えていた」という事態を減らせると考えられます。

主要な変更点② Workflow Runsと周辺機能の改善

Workflow Runsの検索とコンパクトカード

Workflow Runsビューに検索が加わり、実行カードもコンパクトな表示になりました。実行履歴が増えても、目的の実行を探しやすく、一覧もまとまって見やすくなると考えられます。なお、検索の対象項目や構文など細かな仕様は、資料からは確認できません。

Web取得でMarkdownを要求

Web取得の際に、サイトに対してMarkdown形式を要求するようになりました。※Markdownとは: 見出しやリストを簡単な記号で表せる軽量な文書形式です。HTMLより装飾が少ないため、AIが内容を読み取る用途に向くと一般に言われています。対応サイトでどの程度効果があるかは、現時点では公表されていません。

サブエージェントの読み取り専用Memoryアクセス

サブエージェントが、読み取り専用でMemoryにアクセスできるようになりました。※サブエージェントとは: メインのエージェントから作業の一部を任されて動く補助的なエージェントです。読み取り専用なので、参照はできても書き換えはできません。意図しない上書きを避けつつ、蓄積された情報を活用させやすい設計だと考えられます。Memoryの保存内容などの詳細は、資料からは確認できません。

修正された不具合

修正内容 以前の状態
Agent Focus 接続が完了していないウィンドウで停止していた
MCPトークン更新 更新時の障害で、新たなサインインが必要になっていた
大規模セッション 非常に大きなセッションが開けなかった

※MCPとは: Model Context Protocolの略で、AIツールと外部ツール・データをつなぐための共通の仕組みです。外部サービスと連携して使っている人にとって、再サインインを強いられにくくなる点は安心材料です。

影響と展望

コンパクションは長い対話型の開発に欠かせない一方、何が要約で失われるかが見えにくい仕組みでもあります。今回のHookにより、その前後をユーザー側で制御できるようになりました。これはAI開発ツールで「自動処理への介入ポイント」が増えていく流れを示すものと考えられます。

また、読み取り専用Memoryやコンパクションの制御は、複数エージェントで長時間作業する場面で効きそうです。ただし、これらは筆者の見通しであり、実際の効果は利用状況によって変わります。詳しい手順は公式Changelogから確認してください。

まとめ

  • Pre / Post Compaction Hookが追加され、会話の圧縮前後に処理を実行できる
  • Pre Compaction Hookは終了コード2でコンパクションをキャンセルでき、Post Compaction Hookの出力は会話に追加される
  • Workflow Runsの検索、コンパクトな実行カード、Markdownを要求するWeb取得、サブエージェントの読み取り専用Memoryアクセスも追加
  • Agent Focusの停止、MCPトークン更新による再サインイン、大規模セッションが開けない問題が修正された

関連記事