SolidCraftとは?Rust製のオープンソース3D CADの特徴・使い方・AI連携の仕組み

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SolidCraftとは?Rust製のオープンソース3D CADの特徴・使い方・AI連携の仕組み

SolidCraftは、パソコンやブラウザで立体の部品を設計できる、オープンソース(中身の設計図が公開され、誰でも見られるソフト)の3D CADアプリです。寸法の数字を変えると形が自動で作り直され、AIアシスタントに操作を任せる使い方も用意されています。GitHubで公開されていて、開発者の間で名前を見かける機会が増えています。

SolidCraftは結局なんのソフトなの?

SolidCraftは、部品の形を数字で決めながら立体を設計するための、Rust製のオープンソース3D CADアプリです。

※CAD(キャド)とは: 設計図や立体モデルをコンピューターの上で作るソフトの総称です。

※Rust(ラスト)とは: プログラミング言語の一つです。SolidCraftは、この言語だけで作られていると説明されています(GitHubのREADME)。

たとえるなら、表計算ソフトのようなものです。表計算では、1つのセルの数字を変えると、合計やグラフが自動で変わります。SolidCraftでは、寸法の数字を変えると、その寸法に頼っている部分の形が自動で作り直されます。こうした設計の方式は「パラメトリック」と呼ばれます。違いは、扱うのが数字の表ではなく、立体の部品だという点です。

これまでと何が変わるのか

  • インストールなしで試せる: ブラウザ版が用意されています。デスクトップ版はWindows・macOS・Linux向けです(README)。
  • 数字を直せば、全体が直る: 公式サイトのデモでは、ケースの高さを24ミリから32ミリに変えると、関連する部分がまとめて作り直されます(公式サイト)。
  • AIに設計作業を頼む道が最初からある: 「MCP」という仕組みで、AIが設計の操作をできるようになっています。AIは任意で、使わなくても構いません(公式サイト)。

SolidCraftとは?誰が作った、何のソフト?

コードは、GitHubの「tangency-labs」という組織のリポジトリ(作業用の置き場)で公開されています。READMEの免責事項には「Tangency Labsと貢献者」という書き方があります(README)。ただ、運営体制や規模は資料からは分かりません。

ChatGPTなどとの違い

ChatGPTのようなサービスは、AIと会話して答えをもらうものです。SolidCraftはそれとは別で、設計するためのソフト本体です。AIは、必要なときだけつなぐ「助っ人」の位置づけです。公式サイトにも、AIをつながなくても動くと書かれています(公式サイト)。

既存の有名CADとの関係

READMEは、AutodeskやDassault Systèmes、PTC、Siemensなどの各社とは無関係だと明記しています。振る舞いは、公開されている資料や一般的なCADの慣習、利用者の声をもとに設計したとのことです。開発ルールは、他社のコードを持ち込まない「クリーンルーム方式」とされています(README)。

なぜいま話題になっているの?

資料で確認できる「目を引く点」は次の通りです。

  • 純Rust製で、デスクトップとブラウザの両方で動く。
  • 実際に作った例を動画で見られる。READMEと公式サイトには、Raspberry Pi 4(小型コンピューター)のケースを、空のデザインから作って寸法を変えるデモがあります。
  • AIが外部のソフトを操作するための共通ルール「MCP」に、最初から対応している。
  • 公式サイトの時点で最新版はv0.22.0。更新が続いているように見えます(公式サイト)。

話題になった一覧には、このリポジトリに「11003」という数字が付いていました。ただ、何を数えた数字なのかは資料に書かれていません。盛り上がりの理由は、資料から断定できません。上の点が注目された理由かもしれない、という程度にとどめます。

どんな仕組みで、何ができるの?

1. 寸法を変えると、モデルが作り直される

何ができるか: 部品の形を、線の長さや角度といった条件から決められます。あとで数字を直すと、作り直されます。

どう実現しているか: まず「スケッチ」で平面の図を描きます。その上で、線の長さや角度に条件を付けます(これを「拘束」と呼びます)。READMEによると、この条件は独自のソルバー(条件を満たす形を計算する部分)で解かれます。そこから立体を作る手順は、「タイムライン」に順番に記録されます。タイムラインは、あとから編集できます(README)。

2. 作れる立体の種類が広い

何ができるか: 平面の絵を引き伸ばす・回転させて立体にしたり、角を丸めたり、穴やねじ山を作ったりできます。READMEの一覧には、ほかにも次のものがあります。

  • 複数部品を組み合わせる「アセンブリ」(動きの検証を含む)
  • 板金の展開図
  • プラスチックケース向けの機能

どう実現しているか: 個々の機能は、タイムライン上の操作として積み重ねられます。名前付きの数値(パラメーター)には、単位つきの式も使えると書かれています。

3. 他のソフトとファイルをやり取りできる

何ができるか: STEPやIGESなど、設計データのやり取りに使われる形式を読み書きできます。STL、OBJ、glTFなどの形式にも対応しますが、READMEの表現は「対応する範囲で」です。どの形式でどこまで通じるかは、機能ごとに差があるようです。

どう実現しているか: 独自形式の「.sc」ファイルで設計を保存します。以前の「.solidcraft」ファイルも開けます(README)。

4. AIが設計を操作できる(MCP)

※MCP(Model Context Protocol)とは: AIが外部のソフトを操作するための共通のルールです。USBの差し込み口のように、つなぎ方をそろえるものと考えると分かりやすいでしょう。

何ができるか: 公式サイトによると、対応するAIエージェントがモデリングの命令を実行できます。形状の計測、パラメーターの変更、ファイルの書き出しもできます。AIが作った設計は、SolidCraftで開いて編集できます(公式サイト)。

どう実現しているか: READMEによると、MCPサーバー(AIからの依頼を受け付ける窓口)は、コマンドラインツールの一機能です。単独で動かすと、専用の設計セッションを持ちます。起動中のアプリにつなぐこともでき、その場合は操作の様子を画面で見られます。デスクトップ版、ブラウザ版、コマンドラインツール、MCPサーバーは、すべて同じ命令で動くとされています。

5. 形状を計算する部分(SolidCore)も作っている

何ができるか: 立体の形を表現し、切る・削るといった計算をする「幾何カーネル」(形の計算エンジン)です。

どう実現しているか: 公式サイトによると、SolidCoreは、NVIDIAが公開しているC++製のライブラリ「SMLib」をRustに移植したものです。SolidCraftで使うために開発中とされています(公式サイト)。

自分に関係ある?向いている人・向いていない人

SolidCraftは、普段使うサービスの裏側に組み込まれる部品ではありません。自分で開いて操作する、設計アプリそのものです。

向いている人

  • 3Dの部品設計に興味があり、新しいオープンソースのCADを試したい人
  • 寸法を変えながら形を調整する設計の流れを、手軽に体験したい人(ブラウザ版なら登録も不要と案内されています)
  • AIに設計作業を任せる実験をしたい人(MCPの設定には、ターミナルの操作が必要です)

向いていない人

  • 複雑な製品を、業務で本番運用する前提で探している人。READMEは現状を「単純な部品なら実用的だが、まだ初期段階」と書いています。
  • 他社CADの設計データとの完全な互換性が必須の人。資料に細かな互換性の保証はなく、対応範囲は公式の一覧で確認が必要です。
  • 「AIに話しかけるだけで何でも設計できる」ことを期待する人。資料が示しているのは、AIが使える命令の範囲までです。

使い方・始め方は?

ここからは実際に触ってみたい人向けです。読み飛ばしても全体像は分かります。

入手先

  • Windows: インストーラー
  • macOS: ディスクイメージ(Apple siliconとIntelの両方)
  • Linux: AppImage、またはSnapストア
  • ブラウザ: インストール不要で試せる

ARM64版、32ビット版、ポータブル版、各種パッケージ形式はダウンロードページにまとめられています(README)。

ソースから動かす場合

READMEにあるコマンドのうち、代表的なものは次の3つです。サンプル部品つきでデスクトップ版を起動する、命令の一覧を出す、スクリプトを実行してSTEPファイルに書き出す、という内容です。

cargo run --release -p solidcraft -- --sample
cargo run --release -p solidcraft-cli -- commands
cargo run --release -p solidcraft-cli -- run examples/bracket.json --out bracket.step

AIとつなぐ場合

READMEには、Claude Codeに登録する例が載っています。

claude mcp add solidcraft -- solidcraft-cli mcp

端末が solidcraft-cli を見つけられないときは、フルパスを指定します。古いWindowsインストーラーでは、PATH(コマンドを探す場所)に登録されない場合があるためです。既定のパスは、READMEによると次の通りです。

C:\\Program Files\\SolidCraft\\solidcraft-cli.exe

使える道具やアクセスのルールは、公式の docs/mcp.md にあります。今回の資料には中身が含まれていないため、ここでは触れません。

注意点・まだ分かっていないことは?

完成度について

READMEによると、公開されている76個の基準部品のうち75個で、体積・表面積・重心・外形の寸法が、解析的に求めた値かFreeCADで計算した値と一致しました。残り1個は、不具合として追跡中です。ただ、これが示すのは「単純な部品での検証結果」で、複雑な設計に使えるかどうかとは別の話です(README)。

インストール時の注意

macOS版は、Developer IDで署名され、Appleの公証も受けています。一方、Windows版のダウンロードはまだ署名されていません。SmartScreen(Windowsの警告画面)では、「詳細情報」から「実行」を選ぶ必要があると書かれています(README)。

バージョン0.11〜0.14を使っている人へ

GitHubのリポジトリの場所が変わったため、0.11.0〜0.14.0では、新しい版があると表示されても、アプリ内からの更新はできません。公式ドキュメントは、0.15.0以降を手動でダウンロードして、上から入れ直すよう案内しています(公式ドキュメント)。

更新の確認で何が送られるのか

ここはプロジェクト自身の説明です。第三者による検証は、資料の範囲では確認できません。

公式ドキュメントによると、SolidCraftは起動のたびに、そして起動中は1日1回、GitHubに最新版の情報を問い合わせます。その際、バージョン番号、端末や利用者の識別子、利用データ、Cookieは送らないと説明されています。GitHubには、IPアドレスと時刻が見えます。

確認を止める方法も書かれています。

  • 設定の「Check for updates automatically」をオフにする。
  • 環境変数 SOLIDCRAFT_UPDATE_CHECK=0 を設定する。

自分でビルドした版、Flatpak版、ブラウザ版は、確認自体を行いません。ダウンロードしたファイルは、SHA-256(ファイルの同一性を確かめる指紋のような値)が一致しないと使われません(公式ドキュメント)。

ランチャー経由で入れた場合

「ArtCraft Launcher」のようなランチャーで入れた場合は、更新もランチャーが担当します。SolidCraftは更新の知らせだけを出し、自分では置き換えません(公式ドキュメント)。ArtCraft自体については、当サイトのArtCraftとは?商用ソフトをRustで作り直すOSS群の特徴・使い方・注意点で扱っています。ただし、SolidCraftとの組織上の関係は、今回の資料からは確認できません。

ライセンス・料金・サポート

ライセンスは「MIT OR Apache-2.0」で、どちらかを選べます。料金表や有料プランの記載は資料に見当たりません。サポート体制や、今後の公開予定の詳細も、今回の資料では確認できません。ファイルは「現状のまま」提供され、有害・違法な利用についてTangency Labsと貢献者は責任を負わない、という免責があります。

対応OSの表記の違い

公式サイトには、対応OSとしてFreeBSDも書かれています。READMEのダウンロード欄にはFreeBSDが出てこないため、入手方法は資料からは分かりません。

まとめ

  • SolidCraftは、寸法の数字を変えると形が作り直される、Rust製のオープンソース3D CADアプリです。
  • デスクトップ版(Windows・macOS・Linux)に加え、インストール不要のブラウザ版もあります。
  • AIをつなぐ「MCP」に対応していますが、AIは任意です。
  • 現状は「単純な部品なら実用的な初期段階」です。複雑な設計での実力は、資料からは判断できません。
  • 料金・サポート・今後の予定など、資料に書かれていない点は多いため、使う前に公式情報を確認してください。

よくある質問

プログラミングができなくても使えますか?

デスクトップ版やブラウザ版で設計する分には、プログラミングは前提になっていません。資料にはインストーラーとブラウザ版の案内があります。ただしAIとつなぐMCPの設定や、ソースからのビルドはコマンド操作が必要です。

無料で試せますか?

MIT OR Apache-2.0というオープンソースのライセンスで公開されています。ブラウザ版はインストール不要で試せると案内されています。ただし資料に料金表や有料プランの記載はないため、料金面の詳細は公式で確認してください。

AIを使わないと動かないソフトですか?

いいえ。公式サイトには「AIは任意」と書かれており、AIアシスタントをつながなくても使えます。AIをつなぐ場合は、MCPという仕組みを通じて、モデリングの操作や寸法の変更、ファイルの書き出しなどを任せられるとされています。

AutoCADやSolidWorksの公式な後継・互換ソフトですか?

違います。READMEは、SolidCraftが独立したプロジェクトで、AutodeskやDassault Systèmesなどの各社とは提携・後援・承認の関係にないと明記しています。他社の製品名は、互換性を説明する目的でのみ挙げられています。

更新の確認で、自分のデータが送られることはありますか?

公式ドキュメントによると、更新確認はGitHubへのリクエスト1回で、バージョン番号や端末の識別子、利用データ、設計データは送らないとされています。設定画面や環境変数SOLIDCRAFT_UPDATE_CHECK=0で確認を止めることもできます。

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