【n8n】Pythonタスクランナー登場!ネイティブ実行でワークフロー強化【2025年最新】

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2025年9月24日、オープンソースのワークフロー自動化ツールn8nが、待望のアップデートをリリースしました。今回の目玉は、ベータ版として導入された「Pythonタスクランナー」です。これにより、n8nのワークフロー内でネイティブPythonモジュールを安全かつ強力に実行できるようになり、自動化の可能性が飛躍的に拡大します。初心者からエンジニアまで、すべてのユーザーにとって見逃せない重要な変更点です。

Pythonタスクランナーの導入:ネイティブPythonの力

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n8nの最新リリースで最も注目すべきは、「Pythonタスクランナー」のベータ版導入です。これは、n8nワークフロー内でPythonコードを実行するための基盤を根本から刷新する画期的な機能です。

概要・初心者向け説明

これまでn8nでPythonコードを実行する際は、Pyodideという技術を使ってブラウザ内でPythonをエミュレートしていました。しかし、今回のアップデートにより、n8nは「ネイティブPython」の実行環境を提供します。これは、あなたのPCやサーバーでPythonプログラムを直接動かすのと同じように、n8nのワークフロー内でPythonコードが実行できるようになることを意味します。

※n8nとは: ノーコード・ローコードで様々なアプリケーションやサービスを連携させ、複雑なワークフローを自動化できるオープンソースツールです。データの収集、加工、他システムへの連携など、多岐にわたる自動化シナリオに対応します。

技術的詳細と専門用語解説

新しいPythonタスクランナーは、n8nのPythonサンドボックスのセキュリティを大幅に強化しつつ、ユーザーが「本物の」Pythonモジュールをワークフロー内で実行できるようにします。従来のPyodideベースの実装は段階的に廃止され、今後はこのネイティブPython環境が主流となります。

※Pyodideとは: WebAssemblyとPythonを組み合わせることで、ブラウザ上でPythonコードを実行可能にするプロジェクトです。手軽にPythonを試せる反面、実行速度や利用できるライブラリに制限がありました。

※タスクランナーとは: 特定のタスク(ここではPythonコードの実行)を管理し、実行するプログラムや環境のことです。n8nにおいては、ワークフロー内のCodeノードなどで指定された処理を実行する役割を担います。

この変更は「破壊的変更(breaking change)」であり、既存のPyodideベースのPythonコードを使用しているユーザーは注意が必要です。特に、Codeノードでpythonパラメータを使用している場合は、新しいpythonNativeパラメータに手動で更新する必要があります。また、Pyodideの構文に依存しているスクリプトは、ネイティブPythonの挙動に合わせて調整が必要になる可能性があります。

セルフホスティングユーザーは、こちらでタスクランナーのデプロイ手順と追加依存関係のインストール方法を確認する必要があります。n8n Cloudでは段階的な移行が行われ、「Python (Native) (Beta)」オプションが表示されているインスタンスは既に移行済みです。現時点ではセキュリティ上の理由からインポート機能は制限されていますが、今後の改善が期待されます。

具体的な活用例・メリット

このネイティブPythonタスクランナーの導入により、n8nの自動化能力は飛躍的に向上します。

  • 高度なデータ処理: PandasやNumPyといった強力なデータ分析ライブラリを直接利用し、複雑なデータ変換や分析をワークフロー内で完結できます。
  • カスタムAI/MLモデルの統合: scikit-learnやTensorFlowなどの機械学習ライブラリを使って、独自のAIモデルをn8nワークフローに組み込み、予測や分類タスクを自動化できます。
  • 外部APIとの連携強化: 既存のPythonライブラリを活用して、より複雑な認証やデータ形式を持つ外部APIとの連携を容易に実装できます。
  • セキュリティとパフォーマンスの向上: ネイティブ実行により、Pyodideの制約から解放され、より高速で安定したコード実行が期待できます。

Pythonタスクランナーの実行フロー

graph TD
    A[n8nワークフロー] --> B[Codeノード]
    B --> C[PythonNative]
    C --> D[Pythonコード実行]
    D --> E[結果を返却]

Pyodide vs. Python Native 比較表

項目 Pyodide (旧実装) Python Native (新実装)
実行環境 ブラウザ内 (WebAssembly) n8nサーバー側 (ネイティブPython)
利用可能ライブラリ Pyodideにバンドルされたものに限定 ほぼすべてのPythonライブラリ (要インストール)
パフォーマンス ネイティブより遅い傾向 高速、ネイティブに近いパフォーマンス
セキュリティ ブラウザサンドボックスに依存 より強固なサンドボックス化
設定変更 不要 Codeノードのパラメータ変更 (python -> pythonNative)
破壊的変更 なし あり (既存コードの修正が必要な場合あり)
インポート 制限あり 現時点ではセキュリティ上の理由で制限あり (ベータ版)

影響と展望

今回のn8nのPythonタスクランナー導入は、ローコード・ノーコードプラットフォームにおけるカスタムコードの統合に新たな基準を打ち立てるものです。これまで、ノーコードツールでは実現が難しかった高度な処理や、特定のライブラリに依存する複雑なロジックが、n8nのワークフロー内で直接実行できるようになります。これは、開発者にとってはより柔軟な自動化設計を可能にし、ビジネスユーザーにとっては技術的な障壁なく高度な機能を活用できる機会を創出します。

ベータ版であるため、セキュリティと使いやすさのバランスを取りながら進化していくことが期待されます。ユーザーからのフィードバックが今後の機能改善に大きく貢献するでしょう。将来的には、より多くのPythonライブラリのサポート、セキュリティを維持しつつインポート機能の強化、そしてより洗練されたデプロイ・管理機能が追加されることで、n8nはさらに強力な自動化プラットフォームへと成長するはずです。

まとめ

2025年9月24日にリリースされたn8nのアップデートは、ワークフロー自動化の未来を大きく変える可能性を秘めています。

  • ネイティブPython実行: 新しいPythonタスクランナー(ベータ版)により、n8nワークフロー内でネイティブPythonモジュールが実行可能に。
  • セキュリティとパフォーマンス向上: Pyodideからネイティブ環境への移行で、よりセキュアかつ高速なコード実行を実現。
  • 高度な自動化の実現: データ分析、AI/ML統合、複雑なAPI連携など、これまで困難だった高度な処理が可能に。
  • 破壊的変更に注意: 既存のPython Codeノードを使用しているユーザーは、pythonNativeパラメータへの手動更新が必要。
  • 今後の進化に期待: ベータ版であり、ユーザーフィードバックを通じてセキュリティと利便性のバランスがさらに最適化される見込み。
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