2026年10月9日(Oct 9, 2026)、Kiro CLI 2.29.0 がリリースされ、ローカルV3セッション向けの「Memory(メモリ)」機能が導入されました。リポジトリのコマンドや規約といった文脈を、次回以降のチャットへ引き継げるようになります。毎回同じ説明を繰り返す手間を減らす、重要なアップデートです。
Memory機能とは?初心者向けに解説

Memory機能は、Kiroが作業の中で得た有用な文脈を学習し、後のセッションで必要になったときに思い出して使う仕組みです。これまでは新しいチャットを始めるたびに、リポジトリ固有のコマンドや決まりごとを自分で伝え直す必要がありました。Memoryを使うと、その再説明が不要になります。
※メモリ(Memory)とは: ここでは、AIが過去の作業から学んだ情報を保存しておき、後の会話で参照できるようにする機能のことです。
※セッションとは: Kiroとのやり取りのひとまとまり(チャットの開始から終了まで)を指します。
具体的な活用例
公式の例では、デバッグ中にKiroが「このリポジトリの統合テストは、ローカルデータベースにシードデータを投入するまで失敗する」と学んだ場合を挙げています。後日のセッションでは、原因を一から調べ直さず、先にデータベースをシードしてからテストを進められます。
- リポジトリでよく使うコマンドを覚えてもらう
- プロジェクト固有の規約や注意点を引き継ぐ
- 一度解決した問題の原因を再調査せずに済む
Memoryの動作フロー
graph TD
A["作業中にKiroが文脈を学習"] --> B["Memoryとして保存"]
B --> C["後のセッションで必要になる"]
C --> D["Kiroがメモリを呼び出す"]
D --> E["チャットにMemoryエントリを表示"]
Kiroがメモリを使うと、作業中のチャットに「Memory」エントリが表示されます。そこには command=get と、そのメモリのタイトルが示されます。どのメモリが参照されたかを確認できるため、挙動の見通しがよくなります。
アクセス権限と自動更新のコントロール
Memoryは便利な反面、「何を覚えさせるか」を管理したいというニーズもあります。そのため、ローカルV3セッションで /memories と入力して config を選ぶと、次の3つのモードから選べます。
| モード | 動作 |
|---|---|
| read & write | 既存のメモリを使い、新しいメモリの作成や更新もできる |
| read only | 既存のメモリを使う。変更や自動更新は行わない |
| off | メモリの利用も変更も行わない |
アクセス設定の変更は、次のセッションから適用されます。
自動メモリ更新(Automatic memory updates)
read & write を選んでいる場合は、「Automatic memory updates」の設定が使えます。有効にすると、Kiroがメモリを作成・改善し、セッション終了後にも更新を行えます。こちらの設定変更は即時に反映されます。
信頼していないワークスペースでの制限
信頼していないワークスペースでは、Kiroはメモリを読み取れますが、追加・変更・削除はできません。意図しない情報が書き込まれるリスクを抑える設計と考えられます。
保存されたメモリの確認と修正
/memories から list を選ぶと、保存されているメモリを検索、プレビュー、開くことができます。ただし、この一覧は読み取り専用です。メモリの内容を直したり削除したりしたいときは、チャットでKiroに依頼します。
利用時のポイント
- まずは
read onlyで既存メモリの挙動を確かめる使い方もできる - 機密性の高い作業では
offを選べる - 誤った内容が残っていたら、チャットで修正や削除を依頼する
影響と展望
AIコーディングツールでは、セッションをまたいで文脈を保てるかどうかが使い勝手を左右します。今回のMemoryは、プロジェクト固有の知識を蓄積して再利用する方向への一歩と考えられます。同種の機能は他のツールにも広がっており、開発体験の標準的な要素になっていく可能性があります。これは筆者の見解であり、公式の発表ではありません。
また、読み取り専用モードやオフ設定、信頼していないワークスペースでの書き込み制限が用意されている点は、チーム開発や業務利用での安心感につながると考えられます。
一方で、次の点は提供された資料からは確認できません。
- ローカルV3セッション以外の環境での提供状況
- メモリの保存場所や保存件数の上限
- 料金への影響
詳細は公式チェンジログをご確認ください。
まとめ
- Kiro CLI 2.29.0(Oct 9, 2026)で、ローカルV3セッション向けにMemory機能が導入された
- リポジトリのコマンドや規約などの文脈を、後のチャットで再説明せずに活用できる
/memoriesのconfigで read & write、read only、off を選択でき、変更は次のセッションから反映される- 自動メモリ更新は read & write で利用でき、設定変更は即時反映される
listで保存済みメモリを確認でき、修正や削除はチャットでKiroに依頼する



