最近、SNSやテックニュースで「RemoveMacAI」というツールが話題になっています。これは最新のMac向けシステム「macOS 27」に組み込まれているAI機能を丸ごと止め、Macの空き容量を取り戻すためのツールです。AIを使わない人にとって、Macの貴重なストレージを節約できる手段として注目されています。
ひとことで言うと
RemoveMacAIは、Macに入っているAI機能(Apple Intelligence)を停止して、巨大なAIデータをごっそり消すための無料ツールです。
身近なたとえで言うと、「最初から部屋に備え付けられていて場所を取っている巨大な最新家電を、きれいに撤去して部屋を広くするサービス」のようなものです。
RemoveMacAIを使うと、次のような変化があります。
- 使っていないAIデータを消すことで、Macの空き容量が約12GB以上増える
- パソコンの動作を重くする原因になるバックグラウンドの通信や広告分析を止められる
- すべての変更は元に戻せるため、必要になったら元の状態に復元できる
RemoveMacAIとは?
RemoveMacAIのGitHubリポジトリによると、このツールは4evy氏が開発した「pared」という基盤をもとに、omlahore氏によって作られたオープンソースソフトウェアです。
私たちが普段よく使うChatGPTなどは、インターネットの向こう側にあるコンピューター(クラウド)で文章を作ります。そのため、自分のパソコンの容量をほとんど使いません。
一方、Appleが提供する「Apple Intelligence」は、文章の修正や画像生成などの処理を自分のMacの中で直接行います。インターネットにデータを送らないためプライバシーが守られる利点がある反面、Macの中に巨大なAIの頭脳データ(AIモデル)を保存しておく必要があります。RemoveMacAIは、この不要になった巨大なデータを安全に削除してくれるツールです。
なぜ話題になっているのか?
Cult of Macの報道によると、macOS 27ではApple Intelligenceを一括で完全にオフにする「主電源」のようなスイッチが廃止されました。
そのため、設定画面で個別のAI機能をオフにしても、Macの中には何ギガバイトものAIデータが残ったままになってしまいます。特にストレージ容量が少ないMacを使っているユーザーにとって、使わない機能のために10GB以上の容量が占有されるのは大きな悩みでした。
こうした背景から、ワンクリックや簡単なコマンドでAIデータを削除できるRemoveMacAIが登場し、Hacker Newsなどの技術者コミュニティを中心に大きな話題となりました。Ars TechnicaやMacRumorsといった大手海外メディアでも次々と取り上げられています。
仕組みと主な特徴
RemoveMacAIが何をしていて、どうやってそれを実現しているのかを解説します。
1. AI機能の停止とモデルデータの削除
Macに入っているSiri、文章作成サポート(Writing Tools)、画像生成機能などを止め、保存されているAIデータを完全に削除します。
これは無理やりファイルを消すのではなく、Appleが公式に用意しているアセット管理の仕組み(Asset Service)を経由して安全に削除を行っています。
2. 再ダウンロードの自動ブロック
削除したAIデータが、Macの自動更新などで勝手に再ダウンロードされないように防ぎます。
仕組みとしては、Macの設定管理ファイル(構成プロファイル)を使い、AIデータのダウンロード通信の向き先を閉じた内部ポート(データの受け口)に設定することで、再取得を失敗させる設計になっています。
3. システムを壊さない安全設計と復元機能
Macの重要な保護機能であるSIP(システム整合性保護)を有効にしたまま動作し、システムの中枢ファイル(/System)は一切書き換えません。
変更した設定はすべて記録されており、いつでもワンタッチで元の状態へ戻せます。また、ゴミ箱に送られたファイルも、自分でゴミ箱を空にするまでは完全に消去されません。
自分に関係ある?向いている人・向いていない人
RemoveMacAIは、すべてのMacユーザーに必要なものではありません。自分が当てはまるかどうかを確認してみましょう。
向いている人
- Macのストレージ容量が足りなくて困っている人
- AppleのAI機能(Siriや文章の自動校正など)をまったく使っていない人
- 余計な通知やバックグラウンド通信を減らして、Macをすっきりさせたい人
向いていない人
- 日頃からSiriや文章作成ツール、写真の消しゴム機能などをよく使っている人
- パソコンの設定を標準のまま触らずに使いたい人
- ストレージ容量に十分な余裕がある人
使い方・始め方
ここからは、実際に試してみたい方向けの手順です。専門的な操作が含まれますので、全体像だけ知りたい方は読み飛ばしても問題ありません。
RemoveMacAIの公式ページによると、動作にはApple Silicon(Mシリーズのチップ)を搭載した「macOS 27」のMacが必要です。
アプリ版を使う場合
通常のMacアプリとして操作したい場合は、ターミナルを開いて以下のコマンドを実行します。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/omlahore/RemoveMacAI/main/install.sh | bash -s app
画面の案内に沿って、システム設定からプロファイルの適用を許可すると機能が停止されます。
コマンドライン版を使う場合
アプリをインストールせず、コマンドだけで一時的に実行したい場合は次のコマンドを実行します。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/omlahore/RemoveMacAI/main/install.sh | bash
Homebrewを利用している場合は、以下のコマンドでも導入できます。
brew install omlahore/tap/removemacai
便利な基本コマンド
| コマンド | 説明 |
|---|---|
removemacai |
AIの状態を表示し、停止処理を実行する |
removemacai status |
各AI機能の状態とデータ容量を表示する |
removemacai revert |
RemoveMacAIで行ったすべての変更を元に戻す |
removemacai clean |
削除可能な不要ファイルを表示し、容量を空ける |
変更前にどのような処理が行われるか確認したいときは、末尾に --dry-run を付けると実際の変更を行わずに確認できます。
使う前に知っておくべき注意点
導入する前に、以下の制約や注意点を確認してください。
- 使えなくなる機能が多い: Siri、「Hey Siri」の音声呼び出し、文章作成ツール、画像生成(Genmoji・Image Playground)、写真のクリーンアップ、メールやSafariの要約機能などが停止します(音声入力は別設定のため動作します)。
- 容量の表示にタイムラグがある: ツール実行後、Macが実際にファイルを完全に削除するまで少し時間がかかるため、設定画面の空き容量表示がすぐに増えないことがあります。
- 将来のアップデートで動かなくなる可能性: Cult of Macの指摘によると、このツールが利用している一部の設定キーは古いバージョンで非推奨になっているため、今後のmacOSのアップデートで使用できなくなる可能性があります。
- 料金とライセンス: 無料で利用可能で、オープンソースのMITライセンスで提供されています。
まとめ
- RemoveMacAIとは: macOS 27のApple Intelligenceを止めて、AIデータを消去するツール
- 得られるメリット: 約12GB以上の空き容量を取り戻し、不要な通信を止められる
- 注意点: Siriや文章作成などのAI機能が使えなくなり、今後のmacOS更新で影響を受ける可能性がある
- 安全性: システムの中枢を壊さず、変更した設定はいつでも元の状態に戻せる
よくある質問
プログラミングの知識がなくても使えますか?
はい、使えます。RemoveMacAIにはコマンドを打ち込む方法だけでなく、画面で操作できる通常のアプリ版も用意されています。画面に表示される変更内容を確認しながら設定を進めることが可能です。
RemoveMacAIは無料で利用できますか?
はい、完全無料で利用できます。オープンソース(MITライセンス)として公開されており、誰でも自由にダウンロードして使用できます。追加の課金などもありません。
実行すると元に戻せなくなりますか?
元に戻すことができます。RemoveMacAIは設定を変更する前に元の状態を記録しており、取り消し(アンドゥ)機能や、すべての変更を一括で元に戻すコマンドが用意されています。
実行すると何GBくらいの空き容量が増えますか?
開発者によると、AIモデルを削除することで約12GBの空き容量が回復します。環境によってはそれ以上の容量が空く場合もありますが、macOS側の処理の都合で空き容量の表示が変わるまでに少し時間がかかることがあります。



